黒川温泉とは

黒川温泉は熊本県阿蘇郡南小国町、阿蘇山の北部に位置し、

近年になり一躍脚光を浴びるようになりました。

黒川温泉は、いまや九州のみならず、全国にファンががいるほどの人気の温泉地です。

どの旅館にも自慢の露天風呂があって、中央に田の原川が静かに流れて、

湯上りの散策も季節を感じることができます。

木々の深い山間に、黒い瓦屋根が見え隠れする様はまるで

隠れ里のような雰囲気をたずさえています。

黒川温泉の発祥は、その昔、病の父のためにウリを盗んだ孝行息子の首を

畑の主がはねたところ、なぜか落ちていたのは地蔵の首で、

その首を安置した場所 (現在の外湯・地蔵湯)から温泉が湧き出したといわれています。

20数軒ある温泉宿は各自源泉を持ち、泉質はそれぞれ微妙に異なりますが、

全体に硫黄系独特の卵臭がします。

色は無色から白濁、さらに緑がかった湯もあります。

阿蘇の山間から湧き出ているというだけで生きた地球のエネルギーが感じられます。

効能は昔から“きず湯”と湯ばれていたほど、切り傷に特効があるといわれますが、

リューマチ、神経痛、婦人病など泉質同様幅広いです。

宿はほとんどが15から20室前後のこぢんまりとした造りですが、

それぞれに風情ある露天風呂を所有し、黒川の名湯をのんびりと楽しめるようになっています。



黒川温泉の歴史

江戸時代までとじつに歴史ある温泉といえます。

地元の湯治場だった黒川温泉は、東京オリンピックの年(昭和39年)に

国民保養温泉地の指定と、やまなみハイウェイが開通したことで、

盛況になりました。

しかし、ブームが過ぎるのも早く、次第に客足も遠くなり、

観光客を引き留める魅力に薄れて、存続すらも危ぶまれる、

典型的なひなびた温泉地となっていたんです。

そんな黒川温泉の転機となったのは、

黒川温泉旅館「新明館」の後藤哲也氏の思いつきでした。

後藤氏は人々が温泉に「癒し」と「くつろぎ」を求めたいというニーズや、

自然の中で開放されたいという欲求があることに気づきました。、

そのためには、露天風呂が適しているのではということで、

一人露天風呂という斬新なコンセプトを思いつきました。

ロケーションは、旅館敷地内の山肌に向かって、雰囲気ある洞窟風呂という設計にしました。

さらに作り込んだ日本庭園ではなく、野の山を再現しようと樹を植えていきました。

やがて、この温泉が、評判になり、新明館は大繁盛となったのです。

このような評判を見て、「いこい旅館」の婿養子が、後藤氏に教えを乞い、

昭和58年6月、「いこい旅館」は女性専用露天風呂を開設、

「美人の湯」として女性にも評判になります。

これをきっかけとして、

各旅館も露天風呂を続々と開設して今日の黒川温泉のようになったのです。



黒川温泉の人気の秘密

黒川温泉は10数年前までは数ある温泉地のひとつにすぎなかったのですが、

なぜこれほどまでに人気が高まったのでしょうか。

黒川温泉のある九州方面では由布院温泉、別府温泉など、

全国的に有名な温泉があり、黒川温泉はその影に隠れていた観がありました。

黒川温泉に実際に行ってみて宿に泊まり、温泉に入ってきた人たちの口コミと、

ネットあるいは各メディアで数多く紹介されたこともありますが、

「新明館」の後藤氏を中心としたまちづくりのスタンスが明確で、

癒しの温泉郷として、町全体を統一した絶妙の雰囲気づくりにあると思います。

黒川温泉は温泉街にありがちな歓楽街的要素や派手な看板をなくし、

全体に統一的な町並みが形成されています。

都会の生活に疲れ、温泉に「癒し」を求めて来る観光客にくつろぎを与え、

リフレッシュしてもらうためにできる限りの演出を行っているのです。

人々が温泉に求めるものは「癒し」であり「便利さ」ではありません。

「何もない山の中のひなびた温泉街」旅館同士で協力し合い作っていったのです。

その努力が実り、黒川温泉は、旅行雑誌の「行ってよかった観光地」調査で、

6年連続1位を獲得するまでになったのです。



黒川温泉のたのしみ

各旅館の露天風呂がいくつも体験できるというのは、

旅行する側としては実に嬉しいサービスです。


      「入湯手形」とは

料金      手形1枚1200円(一人様1枚ずつ必要)
利用回数   3回
有効期限   6ヶ月間有効(購入時に日付けをスタンプします)
利用時間   午前8時30分~午後9時

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黒川温泉に宿泊するには、小規模旅館が多いこともあり、

伝統的に旅行会社を通さないで、直接利用者から予約を受ける傾向があるようです。

各旅館には馴染み客、常連客がしっかり根付いているんですね。

これが、黒川温泉の魅力でもあるのですが。。。

旅行会社に客室を提供している場合は、提供部屋数はかなり少ないようです。

このために、旅行会社を通じた予約は取りにくいことが多いです。

旅行代理店を利用ですと、観光バスを利用した九州周遊ツアーの立寄りで、

湯めぐりのみ短時間で立寄ることをセールスポイントにしたツアーが

人気があるようです。

ただ、温泉といえばリラックスの代名詞。時間、余裕があるのなら、

ここはやはり、ゆっくりと宿泊したいところ。

しかし、黒川温泉はリピーターが多いことと、

個々の旅館の収容力に限りがあることから、予約を取ることが難しいんですよね。




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